来週、森美術館のプロジェクトリビングルームに出るので、他の人のも見ておこうと「六本木をきれいにする会」会長である皆川さんのお話を聞きに行ってきた。
このプロジェクトの面白い点は、講演を聞くというより、まさにリビングルームで会話するといった空間で、「関係性」を感じてもらおうとする事にある。
物事は点だけにフォーカスしてしまい、例えば食事をする時は味や見た目にフォーカスしがちだけれど、どうやって目の前にある食事があるのか、そのつながりを意識し、そのつながりを見る事は意識しない限りあまりしない。しかし、そのつながりの連鎖こそが自身を形成し、世の中を作っている。
「関係性」にフォーカスして見えてくるものこそが、価値の本質かもしれないなと思わせてくれる今回の展覧会は「関係性を可視化する事」がテーマの僕にとってもかなり面白い!
さて、1996年から毎週金曜の20時に有志が集まって交差点を中心に掃除している「六本木をきれいにする会」。なぜ立ち上がったのか、今思う事は何か、など、皆川さんと一緒にソファーに腰掛けながら訪れた方々と一緒に好き勝手に会話させてもらいました。
今の様な景色とは全く違い、地域の人々がつながっていた六本木。
朝は向こう三軒両隣の意識の中で掃き掃除が始まり、それがつながっているから街はとても綺麗だった。その後、良い意味でも悪い意味でも街は発展し、交通網は整備された結果、つながりは途切れてしまい、本当の意味での人同士のつながり、そして人と街のつながりが消えていった。
島国で閉鎖的だったからこそ創られた日本人の温かさや思いやりはサービスに姿形を変え、お金が最優先事項になってしまった。
其れ故にボランティアの存在こそ、忘れ去られた古き良き時代の精神を思い出させてくれるのかもしれない。
掃除を終えた後、会の懇親会にも参加させて頂いた。
失礼ながらほんとどこにでも居るような格好をした六本木の大地主達。誰に対しても屈託ない笑顔を浮かべ、決して横柄でなく、お店の方々にやさしい会釈をされる振る舞いにその器の大きさを感じる。
関係性を意識させられた深い時間は深夜まで続いた。
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